血管力を高める食事で「ヒートショック」を防ごう | ISDG 医食同源ドットコム [公式通販]
2022.12.28
血管力を高める食事で「ヒートショック」を防ごう

青魚

この冬、節電要請や電気代の高騰により暖房控えを意識する人が増える中、 ヒートショックの危険が高まっています。
ヒートショックとは、寒暖差の大きな場所に移動した際に、血圧が急変動することで、 心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気を引き起こす事象のことを言います。 暖房を使用している場所とそうでない場所との温度差が激しくなりがちな家の中、 特に風呂場やトイレはヒートショックの危険が高い場所です。 節電すべき場所とそうでない場所をしっかり線引きして、 適切に暖房を使用することで冬の危険から身を守りましょう。

またヒートショックは、高血圧や動脈硬化の傾向がある方が その影響を受けやすいとされることから、 日頃の生活で”血管力”を高めておくことも対策の上では大事になります。

そこで今回は、ヒートショック対策にも繋がる 【血管力を高める食事・習慣】についてご紹介します。
寒い冬は血管の病気による死亡率が高くなります。 ヒートショックのリスクを高めないよう、日々の食事により血管力の向上を図りましょう。


血管力の向上にお勧めの食べ物・栄養


血管力の向上にお勧めの食べ物や栄養にはどの様なものがあるのでしょうか。
日々の生活で気を付けたい習慣と合わせ、確認してみましょう。


青魚


冬に脂が乗っておいしくなる魚類は、血管力を高めるお勧めの食べ物です。
特にアジやイワシ、サバ、サンマなどの青魚に特に多く含まれるオメガ3系脂肪酸、 「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」には、 血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やして 血液をサラサラにする働きがあることが知られています。 また、血流を良くするだけでなく、血小板の活性化を防ぎ、 血栓を出来にくくし、炎症を抑えるなどして動脈硬化の進行を防いでくれます。

魚に含まれる良質なタンパク質は、血管そのものを作る材料になります。 脂の乗った魚が豊富に出回る冬は、食事で血管力を高めるチャンスです。 おいしい魚を積極的に食べて、血管力の向上に役立てましょう。

DHAやEPAは酸素や熱に弱い性質があることから、 お刺身やカルパッチョなど、新鮮なものを生の状態で食べるのがお勧めです。

青魚以外では、アマニ油やえごま油、シソ油、クルミなどにもオメガ3系脂肪酸が含まれます。 魚が苦手などで摂りにくい場合には、 サプリメントやこうした食品を利用して良質な脂質を補いましょう。


エクストラ・バージン・オリーブオイル


オリーブオイル

血管力を高めるお勧めの油として、「エクストラ・バージン・オリーブオイル」もお勧めです。
エクストラバージンオリーブオイルの主成分となる「オレイン酸」には、 血中のLDLコレステロール値(悪玉コレステロール)を下げ、 HDLコレステロール値(善玉コレステロール)を上げる働きがあることが知られています。 この働きにより、動脈硬化やその他の心血管疾患のリスク軽減が期待できます。


野菜・果物


野菜

野菜や果物には血管力の向上に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
トマトやニンジン、ほうれん草、カボチャ、赤ピーマンやモロヘイヤなど、 色の濃い「緑黄色野菜」は特に抗酸化力が高く、血管を丈夫にしてくれます。
例えば、トマトに含まれる赤い色素で有名な「リコピン」。 リコピンには強力な抗酸化作用があり、老化から来る動脈硬化を防いでくれます。
抗酸化物質は元々体に備わっていますが、 加齢と共に減少するので、日々の食事から積極的に補うことが大切です。

また、血液サラサラと言えば「玉ねぎ」を思い浮かべる人は多いでしょう。 玉ねぎの催涙成分である「硫化アリル」は、血管にできる血栓を予防して、 善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあることが知られています。

他にも、野菜類に含まれるフラボノイドの1つ「ケルセチン」。 ケルセチンには血管をしなやかにし、血圧を下げる効果が期待できます。
色とりどりの多種多様な野菜・果物を日々の食事に取り入れ、血管力を高めましょう。


GABA(ギャバ)


アミノ酸の1種であるGABAには、 血管を収縮させる作用のある神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌を抑えて、 血管の収縮を和らげ、血流を良くし、高めの血圧を下げる効果があるとされます。
GABAは発芽玄米や小魚の頭、緑茶、キュウリやトマトなどの夏野菜、 発酵食品などに含まれています。 昔ながらの和食を意識することで自然と補うことが出来ます。


野菜や果物、良質な脂質、昔ながらの素朴な和食など、 血管力の向上に役立つ食事を意識して、怖い血管の病気を防ぎましょう。


血圧対策に気を付けるべき習慣


肥満対策

血圧対策に気を付けるべき習慣が以下になります。併せて対策しましょう。


腸活を心掛ける


冬のトイレでいきむ行為は、血圧を急変動させる要因になります。 寒さで血圧が上がった状態でいきむことで、血圧は急上昇し、 ヒートショックの危険度を更に高めてしまうのです。 無駄ないきみを減らすためにも、普段から腸活を心がけ、スムーズな排便に導くことが大切です。

適切な水分補給と適度な運動、栄養バランスのとれた食事、 ストレスの緩和や良質な睡眠を心掛けると共に、 腸内環境を整える働きのある、発酵食品や食物繊維を積極的に取り入れ、 腸を健康に保ちましょう。


減塩を心掛ける


血管力を高める食事の基本は減塩です。
塩分を摂取すると、血液中のナトリウム濃度が高まります。 体には、血液中の成分を一定に保つよう調節する機能が備わっていますから、 塩分のとりすぎで血液中の塩分濃度が高まると、その濃度を薄めるために、 体は水分を増やしてその濃度を薄めようとします。 結果、血管内の水分量が増加し、血圧が上がってしまいます。

血圧が増加すると腎臓の細い血管が障害され、腎障害を引き起こす危険が増します。 慢性的な塩分の取りすぎは、高血圧や腎機能低下を招くため注意が必要です。

ラーメンなど汁物のスープはなるべく残す。料理に調味料を追加しない。 塩分の多い加工食品をできるだけ控えるなど対策して、日ごろから減塩を心がけましょう。

「カリウム」には余分なナトリウムを排出させ、血圧を低下させる効果があります。
カリウムを多く含む食品には、ほうれん草や里芋、モロヘイヤ、アボガド、 納豆、昆布、バナナなどがあります。 塩分多めの食事が気になる方は合わせてカリウムを摂りましょう。


肥満を防ぎ適正体重を維持する


肥満は高血圧の原因になります。 肥満の人は体重が正常の人と比べ、約2〜3倍高血圧になりやすいとされます。 また、肥満の人は過食によって塩分も過剰になりやすく、 より高血圧になるリスクを高めるとされることから、 食べ過ぎ、飲み過ぎ、糖質の過剰摂取を控え、適正体重の維持を心がけることが大切です。


血管力を高め「ヒートショック」の危険を遠ざけよう


血管力の向上には、塩分の多い食事を控えるのはもちろんのこと、 ストレスや運動不足、寝不足、食べ過ぎ、過剰な飲酒や喫煙など、 生活習慣の乱れを正すことも大切です。
高血圧を対策する食事を意識しつつ、日々の生活を整えることから血管力を高め、 冬に起きやすくなるヒートショックの危険を遠ざけましょう。