「本草薬膳学院学院長」「日本国際薬膳師会会長」「北京中医薬大学卒」 「元中国中医科学院医師」 「順天堂大学医学部で学位取得」「中国薬膳研究会国際薬膳師資格認定審査員」「世界中医薬学会連合会常務理事」などの肩書をもち、 薬膳に関する著書も多数発表する、薬膳業界を牽引する存在。
本草薬膳学院 学院長
たつみ なみ
辰巳 洋 先生
医者として15年間北京の総合病院と研究院附属医院に勤務。来日後、その経験を生かして、病院、専門学校にて漢方相談、中医薬の普及、「医食同源」、「食薬同源」の理論に基づき、中医、中薬は日常生活の中の応用、健康を保つ養生、漢方・生薬と食材の応用を中心として活動している。
パソコンやテレビなど、現代の人々はずっと"見て"います。目を使わないのは寝ている時くらいですが、現代人は寝る時間もどんどん短くなっていますよね。 全身の中で一番、目を使っていると言っていいでしょう。しかも、年齢を重ねてくると、目のかすみ、視力低下、白内障など目のトラブルが起きやすくなってしまいます。だからこそ、日頃から目をケアすることが大切なんです。
目は肝(かん)とつながっています。
体内の肝の熱が高まると、それが上へ上へとあがっていき、ボーッとしてめまいを起こしたり、目が疲れやすくなったりします。そこで、薬膳では目の疲れを解消するために肝の熱を下げる漢方を用います。菊の花や車前子(しゃぜんし)など、食事に組み合わせたり、お茶で飲むことで効果が得られるんですよ。
漢方もそうですが、普段使っている食材にも体に良い、さまざまな働きがあります。今回レシピで使った鮭には体を温める働きがありますし、牡蠣は肝の働きをアップさせます。いろいろな食材を組み合わせて、体に良いメニューを作るんです。食材の良さ、体への働きをしっかり勉強した方は「スーパーはまるで薬局」とまで言うんですよ。薬膳を学ぶことで、食に対する日常的な意識が変わるんですね。
日本は食に恵まれた国ですが、まだまだ食材について知られていないこともたくさんあります。10年前、まだ「薬膳」という言葉を誰も知らなかった頃に比べ、ずいぶん食に関する知識も浸透したと感じますが、まだまだ知ってほしいことがたくさんあります。日本の食生活をもっと良くするために、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。