
「最近、寝ても疲れが取れない」「肌のトーンが落ちてきた気がする」そんな感覚、ありませんか?
朝の目覚めがすっきりしなかったり、気づけばため息が増えていたり。季節はすっかり秋へと移り、ようやく暑さから解放されたはずなのに、むしろ体がだるい、気分が上がらない…そんな声が増えています。
実はその不調…
夏バテの後遺症かもしれません。
今年の夏は、本当に過酷でした。連日の猛暑に加え、湿度の高さ、夜も続く熱帯夜。外では強烈な紫外線、室内では冷房による冷えと乾燥…。そんな環境で、私たちの体は知らず知らずのうちにエネルギーを使い果たしてきました。そうしたツケが、涼しくなってきた今、表面化しているのです。
そこで本日は、
【秋に忍び寄る“隠れエネルギー欠乏”の正体】と、
【体と肌をやさしく立て直すためのヒント】をご紹介します。ぜひ、秋のリズムに合わせて、心とからだを整えるきっかけにしてみてくださいね。
秋不調の正体は「エネルギー工場」の不調?

私たちの体の中では、毎日何兆もの細胞が、休むことなく働いています。その細胞の中にある“小さなエネルギー工場”こそが「ミトコンドリア」です。ここで生み出されるエネルギーが、動く力・考える力・美しさを保つ力のもとになっています。
ところが、夏のあいだにこのミトコンドリアが疲れ切ってしまうと、本来の働きが鈍り、エネルギーの生産がうまくいかなくなります。結果、「眠っても疲れが取れない」「肌がどんより」「やる気が出ない」といったサインが現れるのです。
秋になって気温が下がると、体は冷えやすくなり血流も滞りがちに。すると、酸素や栄養が細胞に届きにくくなり、ますますエネルギー不足が加速します。この悪循環が、秋の不調の正体です。
鉄とたんぱく質は「エネルギーをつくる材料」

エネルギーを作るには、まず材料の摂取が必要です。その代表が「鉄」と「たんぱく質」。
鉄は、酸素を体のすみずみに運ぶ赤血球を作るための必須ミネラル。たんぱく質は、その赤血球やミトコンドリアを構成するもとになります。どちらか一方が不足しても、エネルギーの生産ラインはストップしてしまいます。
特に女性は月経などで鉄を失いやすく、さらに夏場の食欲低下でたんぱく質摂取も減りがち。そのダブル欠乏が秋に出やすくなります。
「鉄」と「たんぱく質」を補うには、レバーや赤身肉、かつお、まぐろ、豆腐や卵などを意識的にとりたいところです。動物性・植物性をバランスよく組み合わせると吸収率がアップします。また、鉄の吸収を助けるビタミンCを一緒に摂るのもおすすめです。普段の食事で意識してみましょう。
ビタミンB群は「エネルギー変換のカギ」
エネルギーを効果的に生み出すには、ビタミンB群の摂取も大事です。食事からとった栄養素をエネルギーに変える「変換スイッチ」が、ビタミンB群です。特にB1・B2・B6・B12は、ミトコンドリアを元気に保つうえで欠かせません。たんぱく質や脂質、糖質をうまくエネルギーとして使うための「潤滑油」のような存在だと覚えておきましょう。
疲労感が抜けないとき、甘いものが無性に欲しくなるのも、実はこのB群が不足しているサインかもしれません。
ビタミンB群は、玄米や豚肉、まぐろ、納豆、卵、アーモンドなどに多く含まれています。一日三食の中で、少しずつ取り入れていくと、「なんとなく元気が戻ってきた」という感覚を実感しやすくなります。
ミトコンドリアを元気にする「糖の摂り方」

糖質は、ミトコンドリアがエネルギーを生み出すための燃料です。とても大切なのに、ダイエットのために控えすぎてしまう人が少なくありません。
糖質が極端に不足すると、ミトコンドリアはうまく働けず、体が省エネモードに入ってしまいます。その結果、疲れやすく、冷えやすく、代謝が落ちやすくなることも。極端な糖質制限で、逆に太りやすい身体を作る恐れもあるため、注意が必要です。
糖質摂取のポイントは、「質」と「タイミング」です。
・精製された砂糖や菓子パンではなく、玄米・さつまいも・果物など「自然な糖」を選ぶ
・朝や昼など、活動量が多い時間帯にしっかり摂る
・糖をエネルギーに変える「ビタミンB1」を一緒に摂る(豚肉や大豆、ごまなど)
夜は少し控えめにして、体を休ませる方向へ。「抜く」ではなく「上手に使う」意識が、ミトコンドリアを元気に保つコツです。
秋は「リズムを取り戻す」季節

秋は、気温や気圧の変化が激しく、自律神経も揺らぎやすい時期です。夏の間、冷房で体を冷やし、夜更かしや食事リズムが乱れたままの人は、エネルギーを生み出す力がうまく整っていません。
秋は「リズムを取り戻す」季節という意識で生活を整えて行きましょう。
朝の光を浴びて体内時計をリセットし、朝食をとり元気にスタートを切る。夜はぬるめのお風呂で体を温め、リラックスできる環境を整え、ゆっくり睡眠を取る。そうした小さなリズムの積み重ねが、ミトコンドリアを再び活性化させてくれます。
特に睡眠中は、細胞が修復され、肌や髪の再生も進む大事な時間です。しっかり眠ることは、最高の美容チャージにもなります。
「からだの声」に耳を傾け元気をチャージしよう
夏が終わって落ち着くタイミングこそ、疲れがドッと出やすい時期です。ちょっとの疲れやだるさを放置して、本格的な不調に繋がってしまわないよう、今のうちに「からだの声」に耳を傾けてみましょう。
今年の過酷な夏を乗り越えた体は、今、少し休息を欲しがっているのかもしれません。焦らず整えてあげることが、冬へ向けて「疲れにくいからだ」を育てる大切な時間です。
暑さに耐え抜いた自分をねぎらいながら、秋の空気の中で深呼吸してみてください。きっと、内側から少しずつ、力が湧いてくるはずです。