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2021.10.27
酒は「百薬の長」されど「万病の元」

アルコール

お酒は飲み方や量に気をつけないと、美と健康に悪影響を及ぼします。
「酒は百薬の長」どんな良薬にも勝ると、 アルコールの良い部分だけを都合よく解釈してしまう方が多いですが… 「酒は百薬の長、されど万病の元」と続く文献もあり、 アルコールには多くのデメリットがあることも決して忘れてはいけません。

そこで今回は、アルコールが引き起こす健康障害についてご紹介します。
是非この機会にアルコールの害について改めて認識を深め、 酒を百薬の長にすべく、付き合い方を考えてみましょう。


アルコールのメリットとデメリット


お酒

お酒は人とのコミュニケーションを円滑にしたり、 ストレス解消に繋がるなど様々なメリットがあります。 しかしその反面、付き合い方を一歩間違えると健康を害す危険があります。

お酒を飲むことにはどの様なデメリットがあるのか?
体内での作用を含め害について詳しく見てみましょう。


アルコールの代謝とお酒に酔うメカニズム


口から入ったアルコールは体内に入ると胃で約20%、 小腸で80%が吸収され、血液に乗って肝臓に運ばれます。 肝臓でアルコール脱水素酵素によって分解され、 毒性のあるアセトアルデヒドに変換されます。 そしてアセトアルデヒドは更に肝臓で無害な酢酸に変換、 酢酸は血液に乗って体を巡り、二酸化炭素と水に分解され、 汗や尿、呼気などで排出されます。

肝臓に入ってきたアルコールですが、一度に全て分解することは出来ません。 大部分のアルコールは肝臓を素通りし、心臓から全身に運ばれていきます。 このアルコールが脳に到達すると、脳の神経細胞に作用し脳を麻痺させます。 これがお酒を飲んで酔っ払うメカニズムです。


アルコールが引き起こす健康障害


アルコールと健康障害

アルコールは90%とそのほとんどが肝臓で分解処理されますが、 肝臓はアルコール分解だけでなく、糖やタンパク質の分解を始め、 代謝や解毒など様々な働きを担っています。 つまりお酒を飲むことは、ただでさえ忙しい肝臓に大きな負担を与える行為となります。

お酒を飲み過ぎれば、肝臓が常に働きっぱなしの状態となり、 疲弊して機能が低下。脂肪肝や肝硬変などの肝臓の病気に繋がる他、 糖尿病や痛風、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病のリスクも高めるなど、 健康面に大きな悪影響を与える危険があります。

これ以外にもアルコールの害は多岐に渡ります。


脱水や肝機能低下による肌質の低下


お酒を飲むとアルコール分解のために多くの水分が使われます。 その結果肌が脱水状態となり、うるおいを低下させてシワやたるみを引き起こします。

また肝臓は肌の機能とも密接に関わっています。 肝臓が疲弊したり機能が低下することで、肌のターンオーバー機能も衰え、 シミやくすみを悪化させるなど肌質の低下を招きます。 更には、乾燥は皮膚のバリア機能を低下させますから、 外からのダメージも受けやすくなり、ニキビや肌荒れもしやすくなります。


睡眠を阻害


過度な飲酒により体が脱水状態になると、 夜中に喉が渇いて目が覚めると言うことにも繋がります。

また、アルコールを分解するときにアセトアルデヒドと言う物質が発生しますが、 アセトアルデヒドは交感神経を活性化させ、脳を興奮させて睡眠を阻害します。 例え眠れていても、眠りが浅い為に翌日ぼーっとしたり、 集中力の低下やパフォーマンスの低下を招く、慢性疲労を引き起こすなど、 過度な飲酒は睡眠においてもデメリットが多いのです。


老化・病気


アセトアルデヒドは毒性が強く、体内で炎症を引き起こします。
炎症は、糖化や酸化と並ぶ「老化の3大原因」の一つです。 肌や血管、内臓など体のあらゆる部分を老化させ機能低下を招きます。

また、アセドアルデヒドは発がん性があると指摘されています。 特に元々お酒が弱いタイプの人は食道がんのリスクを高めたり、 女性の場合は乳がんのリスクを高めるとされます。


筋トレの効果が出にくくなる


体作りに必要なタンパク質を作るのも肝臓の大事な仕事です。 トレーニングや運動で筋肉を使用した日の飲酒は肝臓にとって二重の負担になり、 せっかくのトレーニング効果を半減させてしまいます。
運動によって筋肉をつけることが目的の場合には、 トレーニングをした日は飲酒を極力控えるのが鉄則です。


肥満


お酒を飲むと太りやすくなります。
アルコールはエンプティカロリーと言って、 すぐに熱として消費されてしまうエネルギーである為太らないとされますが、 一方で、おつまみとして食べた食品のカロリーは、 通常よりも脂肪として蓄えられやすくなる為注意が必要です。

これは、アルコール処理でフル稼働している肝臓に運ばれた食事のエネルギーは、 処理が追い付かずに脂肪として蓄えられてしまう為です。

また、アルコールが食欲を促進する点にも注意が必要です。 おつまみの食べ過ぎや締めのラーメン、デザートなどを食べてしまうと 太ってしまいますから、飲酒の際の食事はほどほどにしましょう。


記憶力・判断力の低下


お酒を飲み過ぎると、記憶力や判断力が低下することがあります。 気が大きくなり喧嘩や暴力、事故を起こすなど、 人間関係の悪化や社会問題を引き起こす原因にもなってしまいます。


アルコール依存症


アルコールが怖いところは、依存症に陥る危険性が高いことにあります。
アルコール依存症は、お酒を飲むか飲まないか、お酒を飲む量など、 自分でコントロールが出来なくなってしまった状態のことを言います。

依存症になるとお酒のことばかり考えてしまい、性格まで変わってしまいます。 アルコール依存症は、自分の心や体を壊すだけでなく、 周りの人間関係や生活を壊すきっかけにもなる恐ろしい病気です。
お酒を習慣的に飲む人なら誰でも依存症に陥る危険性がある為、 十分な注意が必要です。


節度のある適度な飲酒量の目安


この様に、アルコールには様々なデメリットがあります。 人生を豊かにするはずのお酒に人生を支配されない為にも、 節度のある適度な飲酒を心掛けることが大切です。

節度のある適度な飲酒量の目安は、1日平均純アルコールで20g程度とされます。
ビールであれば中ビン1本程度、ワインであればグラス2杯程度、 日本酒であれば1合、ウィスキーならダブルで1杯程度が目安です。

もちろん、この目安はお酒を飲める人の平均的な数値ですから、 もともとお酒が飲めない人や、男性よりも体が小さい女性、 高齢者などには当てはまりません。
それぞれの体質や状況に応じて飲む飲まないの判断、また量を調節しましょう。

ちなみに、女性は男性の半分程度の量で アルコール依存症になりやすいそうですから、 適量も上記の半分程度を目安量として考えると良いかと思います。


良い面悪い面のバランスを取りお酒とは上手に付き合おう


アルコール

お酒を飲める体質の人の場合では、少量の飲酒習慣が糖尿病や脳梗塞、 心筋梗塞等の生活習慣病のリスクを下げると言うデータも過去にはありました。 コミニュケーションツールになったり、 ほろ酔い程度であればストレス解消に繋がる、 血流が促進され老廃物が排出されやすくなるなど良い部分もあり、 必ずしもお酒が体に悪いとは言い切れません。

しかし、飲み方によっては美と健康にとって大きなデメリットとなり、 これらは決して過小評価すべきものではありません。

是非この点をよく理解したうえで、良い面悪い面、 バランスをとりながらお酒とはうまく付き合って行きましょう。