スポーツ種別で変わる筋肉の付き方とその仕組み | ISDG 医食同源ドットコム [公式通販]
2021.08.04
スポーツ種別で変わる筋肉の付き方とその仕組み

筋肉

スポーツでは、競技によって選手の筋肉のつき方や体型が大きく変わりますが… どうしてここまでの違いが出るのか?その理由をご存知でしょうか。

体を動かしたりスポーツをする上で 筋肉が使われている事は分かっていても、 その詳しい仕組みや、スポーツによって筋肉のつき方が変わる理由までは 理解していない方も多いのではないかと思います。

そこで今回は、【筋肉の仕組みとスポーツとの関わり】について詳しく解説します。

体づくりのための運動やスポーツをされる際には、 筋肉の仕組みを理解しておくと非常に有利です。 是非運動に取り組まれる際の参考にしてみてください。


筋肉の種類


体には様々な種類の筋肉がありますが、 普段私たちが体を動かす際やスポーツのする際に使う筋肉は、 関節を動かす「骨格筋」のことを指しています。

骨格筋は自分の意思で動かすことができると言う意味合いで「随意筋」と分類されます。 これに対し自分の意思では動かすことができない筋肉を「不随意筋」と呼び、 心臓を動かす「心筋」や、血管や内臓の壁となる「平滑筋」はこちらに分類されます。

肉体改造やスポーツにおける筋肉とは、 骨格筋のことを指していることをまずは理解しておきましょう。


筋肉の仕組み


筋肉は、髪の毛1本ほどの「筋繊維」と言う、 細長い繊維状の細胞を無数に束ねたもので構成されています。 そしてその筋繊維の中には「筋原繊維」と言う繊維物質が詰まっていて、 これが収縮することにより私たちは動くことができています。


遅筋繊維と速筋繊維


筋繊維は主に2つのタイプに分けられます。

それが遅筋繊維(赤筋)と速筋繊維(白筋)。
それぞれがもつ筋繊維の特徴の違いは以下の通りです。


遅筋繊維(赤筋)


運動習慣

字の如く、遅筋繊維は収縮するスピードが遅い筋繊維です。
弱い力しか出せませんが、その分持久力に優れ長時間の運動を可能にします。

マラソンやトライアスロン、水泳などの持久力を有するスポーツ選手に多い筋肉です。


速筋繊維(白筋)


筋肉

それに対し、速筋繊維は収縮するスピードが速い筋繊維となります。
瞬時に爆発的なパワーを発揮するものの、 持久力は続かず、すぐにバテてしまいやすいのが特徴です。

そして速筋繊維はさらに、「タイプⅡa」「タイプⅡb」の2つのタイプに分けられます。

タイプⅡbは、筋肉の収縮が瞬時に行われる反面スタミナに乏しく すぐにバテてしまうタイプです。 スポーツでは100メートル走や200メートル走、重量挙げ、円盤投げなど、 短時間で爆発的なパワーを要するスポーツを行う選手に多い筋繊維です。

タイプⅡaは、タイプⅡbよりも筋繊維の収縮スピードが少し劣り、 その分若干の持久力があります。スポーツでは、中距離走となる 400メートル走や800メートル走の選手に多い筋繊維となります。


この様に、遅筋繊維と速筋繊維には特徴に大きな違いがあります。

そして筋肉には、この2つのタイプの筋繊維が適度にブレンドされています。 それぞれの性質は対照的ですから、 お互いの長所や短所を補いながら筋肉の機能を高めています。


太くなる筋繊維と太くならない筋繊維


その他、遅筋繊維と速筋繊維の大きな違いとして、 速筋繊維はトレーニングによって太くなるのに対して、 遅筋繊維はトレーニングをしても大きさがあまり変わらない特徴があります。 短距離走の選手は筋肉が大きく強靭な肉体になるのに対し、 長距離走の選手は筋肉が細いのはこのためです。

ちなみに、サッカーやバスケットボールなど球技種目などの選手は、 速筋と遅筋の割合が半々になる人が多いとされています。 他の競技においても、運動の強度や持久力の有無、 身体を使う場所などにより、筋肉の付き方が大きく異なります。


白筋と赤筋


遅筋繊維は赤く見えることから別名、赤筋、 速筋繊維は白っぽく見えることから白筋と呼ばれることもあります。

この筋繊維の色の違いは、よく魚の赤身・白身で例えられます。 例えば、マグロやカツオの様に大海原を回遊している魚は、 持久力の高い赤筋が発達しているため赤身となり、 ヒラメやカレイのように海底に潜み、 エサである小魚が近づくと爆発的なスピードで捕食する魚は、 瞬発力に優れた白筋が多いため白身になります。

こんな風に、白身魚と赤身魚の行動を思い浮かべてみると、 筋肉の色や特徴の違いが分かりやすいですね。


筋繊維の配合率はそれぞれで異なる


人の体では、遅筋繊維と速筋繊維が適度にブレンドされていますが、 そのブレンド率には個人差があり、 遺伝や人種、また体の部位によって配合率は異なるとされます。

この構成比がスポーツにおけるパフォーマンスに大きな影響を及ぼしています。

黒人、白人、アジア人などを見ても体型が大きく異なりますが、 人種によって筋肉の付き方が異なるのは、もちろん骨格の違いも大きいですが、 筋繊維の配合率の違いも一つの理由になっていると考えられます。

ただし、筋繊維のブレンド率は変えられないものの、 運動の仕方によってどの骨格筋も鍛えることは当然可能です。 例えば生まれつき持久力に長けた遅筋繊維が多い人でも、 短距離走や筋トレのような瞬発的なトレーニングを行っていれば、 速筋繊維が発達しますし、その逆もまた然りです。

取り組むスポーツの種別やトレーニング方法によって、 向き不向きはあれどいくらでも筋肉は鍛えることが出来ますので、 是非前向きに、目的に沿った方法で運動には取り組んで参りましょう。


筋肉を鍛え健康維持に繋げよう


筋肉の仕組みについて理解した上でスポーツを見て見ると、 また新しい楽しみ方ができるのではないでしょうか。

また、筋肉は意識して鍛えていかないと、特に中年以降は年々衰える一方です。
将来、元気に自立した老後を送るためにも、 継続的にトレーニングやスポーツに励み筋肉を鍛えていくことが重要! 是非、普段から積極的に体を動かし、 筋肉を鍛えることから健康維持に繋げて参りましょう。