![黄砂](https://www.ishokudogen.com/page/wp-content/uploads/kousa2.jpg)
春は
「黄砂」(こうさ)の飛散量が増える時期です。
黄砂とは、東アジア内陸部(中国やモンゴルなど)の砂漠地域
(ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠など)や黄土地帯から、
風によって上空に巻き上げられた砂や土埃のことです。
これが偏西風に乗り、日本を含むアジア一帯に飛んで来る現象です。
黄砂が付着することで肌荒れを引き起こしたり、
呼吸によって吸い込む事で、呼吸器疾患や循環器疾患のリスクを高めるなど、
美と健康に悪影響があると指摘されるため、
黄砂が飛散しやすい春時期は特に注意が必要です。
そこで今回は、
【黄砂による健康への悪影響・対策】についてご紹介します。
黄砂が春になると増える理由も解説しますので、是非この機会に
黄砂に対する理解を深め、正しく対処することから健康を守りましょう。
春に黄砂が増えるのはなぜ?
春頃になると、日によっては視界がぼやけるほど飛散量が増す黄砂。
これは、東アジア内陸の砂漠地帯や黄土地帯の砂や土埃が、
雪解け後、強風によって上空数千メートルにまで舞い上がり、
日本に運ばれて来るために起こります。
また、春に黄砂が増えるのには、”春特有の気象”も関係しています。
日照が増え、地面が乾燥する春は、土埃が舞いやすい環境になります。
加えて春になると高気圧や低気圧が交互に日本付近を通過し始めます。
高気圧に覆われると、上空からは地上に向け下降気流が発生。
ちょうど蓋を覆うような形になって、チリや埃が地上に漂いやすくなるのです。
黄砂による健康への悪影響
![黄砂による悪影響](https://www.ishokudogen.com/page/wp-content/uploads/kousa1.jpg)
黄砂は「砂」と書きますが、砂粒よりもずっと小さく、
2〜5マイクロメートルの非常に細かい粒子です。
スギ花粉の大きさが30マイクロメートルほどですから、
物凄く小さな微粒子であることが想像できるかと思います。
この小さな粒が肌に付着したり、呼吸によって体内に入ることで、
私たちの健康に様々な悪影響を及ぼすことが知られています。
例えば、肌のかゆみや肌荒れ、アトピー性皮膚炎の悪化などの皮膚症状があります。
これは、黄砂が時間をかけて運ばれてくる間に、微生物やその死骸、
硝酸塩、硫酸塩、アンモニウムなどのpm2・5と呼ばれる大気汚染物質など、
有害物質を巻き込んでくることが原因とされています。
こうした物質が肌に付着することで、皮膚症状を引き起こします。
また、アレルギー症状との関連が報告されており、
目の痒みや乾燥、充血、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、アレルギー性鼻炎の悪化。
咳や痰が出る。他にも、喘息、肺炎などの呼吸器疾患。
心筋梗塞など循環器疾患のリスク上昇など、
様々な症状、疾患との関連が報告されていることから、厳重な注意が必要です。
黄砂が飛来する地域では、洗濯物が黄砂まみれになってしまうため、
屋外で干す際には注意が必要です。
体にも上記のような様々な悪影響を及ぼす場合もあることから、
しっかりと対策をして身を守ることが大切です。
黄砂から身を守る対策
黄砂から身を守るためには、
黄砂をできるだけ肌に付着させない、吸い込まない、家に入れないなどの対策が重要です。
●黄砂の飛散が多い日に外出する際にはマスクや帽子、サングラスやメガネを着用する。
●マスクは隙間なく装着し、黄砂の体内への侵入を極力防ぐ。
●家に帰宅した際には、服や髪の毛に付いた埃や砂を払い落とす。
●うがい手洗いの徹底。
●目薬や洗眼液で目の中の汚れを洗い流す。
●肌荒れが気になる場合は、帰宅後の洗顔やシャワーを浴びる。
●風の強い日など、黄砂の飛散量が多い日は窓を開けない。
●洗濯物を外で干さない。
●空気清浄機を使用する。
●床の水拭きなど、部屋の掃除をこまめに行う。
基本的には、コロナ対策や花粉症対策と同じです。
黄砂に対しても、これまでにしてきたような対策を継続することから、
健康を守っていきましょう。
黄砂対策で健康を守ろう
昔は、春の訪れを告げる自然界の営みと考えられてきた黄砂ですが、
現代では単なる自然現象ではなく、環境問題の1つと考えられています。
ただの砂埃ではなく、化学物質や有害物質を付着していることからも、
しっかりと対策をして身体への悪影響を最小限に留めましょう。