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2023.10.11
「マイオカイン」を増やして健康で若々しい毎日

マイオカイン

運動が健康に良いことは、誰もがご存知だと思います。 しかし、運動が健康促進に繋がる要因の1つに、 筋肉から分泌される「マイオカイン」という物質が関係していることは、 あまり知られていないのではないでしょうか。

筋肉は、日常の動作や運動において力を発揮するだけでなく、 全身にメッセージを送り、機能を調節していることが明らかになっています。 これにより、運動と健康との関りがこれまで以上に明確になり、 健康長寿のカギを握るとして大変注目されています。

そこで今回は、「マイオカインとは何か?」マイオカインの特徴や注目の働きについて紹介します。
ダイエットや若返り、認知機能の改善など、 マイオカインの可能性を知り、運動の意義について理解を深めましょう。


マイオカインとは?


「マイオカイン(myokine)」とは…骨格筋(*)から分泌される さまざまな生理活性物質(ホルモン等)の総称であり、 ギリシャ語の myo(筋)と kine(作動物質)から作られた造語です。

(*骨と連動し、運動や姿勢保持などの働きを担うのが「骨格筋」です。 その他、筋肉には、臓器を動かしたり血液循環を司る「平滑筋」、 心臓を構成する「心筋」があり、唯一自分の意志で動かしたり、 鍛えることが出来るのが「骨格筋」です。)

2003年に、デンマークの研究者が、筋肉から出るIL-6という物質が、 糖や脂肪の代謝を促すことを発見したことから研究が進み、 数百種類の様々なマイオカインが存在することや、 それぞれに異なる組織で異なる作用をしていることが明らかになっています。


マイオカインの働き


筋トレとマイオカイ

マイオカインは日常の動作や運動など、骨格筋が収縮する時に分泌されます。 これが血流を介することで、全身の臓器や脳など、 あらゆる組織とコミュニケーションをとり、 機能を調節していることが分かっています。

例えば、マイオカインが血流に乗って脳に運ばれると、 神経細胞を活性化する物質を分泌すると考えられています。 運動すると、頭がスッキリする方は多いと思いますが、 運動によってマイオカインが分泌されることで、 認知機能を高めたり、うつを抑制する効果も期待できるのです。

また、筋肉中で糖代謝を高めたり、脂肪を燃焼させるマイオカインも確認されており、 痩せやすい体づくりに役立つ他、メタボリックシンドロームによってリスクが高まる、 糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの 生活習慣病改善に有用な働きをするマイオカインもあります。

また筋肉自体に作用して、筋力強化に役立つとも考えられており、 加齢による筋力・身体機能の低下(サルコペニアやフレイル)を防ぐ効果も期待できる他、 骨粗しょう症や大腸がん、免疫の暴走を抑制する働きを持つとされるマイオカインも確認されています。

その他、肌の弾力維持とコラーゲンの産生促進に関係しているマイオカインもある等、 まさに全身の美と健康において影響を与えていると考えられています。


運動の重要性


マイオカインの多くは運動による筋肉の収縮で分泌することが分かっており、 普段から良く動く人はマイオカインが分泌され、美と健康の維持が期待できます。

一方、動かない状態でいるとマイオカインは減ってしまいます。 それどころか、筋肉が減り、筋肉の質が低下すると、 健康に有用な働きをする善玉のマイオカインは減少し、 糖代謝の悪化や筋肉の萎縮を進めるなど、健康に悪い影響を与える 悪玉のマイオカインが増えてしまうことも知られています。

普段あまり動かなかったり運動不足になると、 悪玉のマイオカインの影響で、益々筋力が低下し、 筋肉の質を落とすことにも繋がる懸念があります。 結果、サルコペニアやフレイルのリスクを上昇させたり、 認知機能の低下や抑うつのリスクを高めるなど、様々な悪影響が考えられることから、 日頃から運動習慣を心掛け、骨格筋を維持・強化していくことが重要です。


マイオカインを高める運動


スクワットでマイオカインを高める

マイオカインを効果的に増やすお勧めの運動としては、 やはり筋力トレーニングがお勧めです。
ただ、ジムやパーソナルトレーニングで本格的に鍛える必要はありません。 家で手軽に取り組める自重トレーニングなどで十分効果がありますので、 まずは、一番大きな筋肉がある下肢を鍛えることが出来る「スクワット」 を取り入れるなど、簡単なものから始めてみましょう。

また、日常でよく歩くようにしたり、意識して階段を使う、 咀嚼回数を増やす、姿勢を正すなどでも筋肉は使われています。 運動習慣が無い方は、まずはこのような小さなことから始めるのもお勧めです。

運動を習慣にするコツは、無理なく楽しめる範囲で取り組むことです。 体が慣れてきたら、徐々に強度を増やしつつ習慣にしていきましょう。


運動習慣を身に付けよう


筋肉は、体を支えたり動かす為だけに働くのではなく、 様々なホルモンを分泌して、全身の器官に影響を与えています。

マイオカインを分泌する筋肉を増やしたり、運動によって質を高めることは、 何歳から始めても可能です。是非、運動を習慣にして、 マイオカインを高める生活を意識することから、健康促進に努めましょう。