ナスが旬を迎えています。
丸くて大きな「米ナス」に長い「長ナス」、
お洒落な柄の「ゼブラナス」や真っ白な「白ナス」等、様々な品種があるナス。
ハウス栽培により通年出回る身近な野菜ですが、
一般的にナスの旬は本来6月頃から9月頃。
品種によっても異なるものの、
多くは初夏から初秋にかけての今が旬となる”夏の代表野菜”です。
漬物やお浸し、マリネなどでさっぱり食べても良し、
炒め物やてんぷらなど油との相性も良し、
和洋中どんな料理とも相性が良いナスはまさに万能食材。
柔らかくジューシーな食感が何とも言えず、
野菜の中でも特にナスがダントツ!と言うナス好きさんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、今旬を迎えている
「ナスの栄養」をご紹介します。
ナスの濃い紫色には美と健康に役立つ栄養素が詰まっています。
併せて
「調理の際のポイント」や
「新鮮なナスの選び方」などもご紹介。
是非ご覧いただき、夏の元気な食卓にお役立てください。
ナスの栄養と効果
![なす](https://www.ishokudogen.com/page/wp-content/uploads/nasu2.jpg)
ナスは、実の90%以上とそのほとんどが水分で出来ています。
その分栄養素も少ないかと思われがちですが…
決してそんな事はなく実にも皮にも様々な栄養が含まれています。
以下ではナスに含まれる代表的な栄養素と期待できる効果をご紹介します。
カリウム
ナスにはカリウムが多く含まれています。
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、
高血圧の予防やむくみ対策として役立ちます。
食物繊維
ナスは水分が多い分、100gで22kcalと低カロリーです。
様々な料理に活用できる為、ダイエット中のカサ増し食材としてもお勧めです。
また、食物繊維が豊富なので便通の改善に役立ち、
腸内環境を整えて美肌やダイエットにも良い影響を与えます。
ナスニン
ナスの紫色は、アントシアニン系色素である「ナスニン」によるものです。
ナスニンは、強力な抗酸化作用があるポリフェノールの一種。
老化や癌、生活習慣病などの原因になる活性酸素を抑える働きがあります。
また、ナスニンはブルーベリー等に含まれるアントシアニンの仲間で、
目の健康にも役立ちます。更には、糖や脂質の代謝を促す
「AMPキナーゼ」という酵素を活性化する作用があり、
肥満予防としても役立ちます。
クロロゲン酸
ナスには「クロロゲン酸」というポリフェノールも多く含まれています。
こちらも活性酸素の生成を抑え、老化や様々な病気の予防に役立ちます。
ナスを調理する際に、あく抜きの為に水にさらすことがありますよね。
しかし、この時に出るあくの正体こそがクロロゲン酸。
捨ててしまうのは勿体無い体に良い栄養素です。
クロロゲン酸は水溶性なので、水にさらすことで切り口から逃げてしまいます。
ナスの調理の際には長時間水にさらしすぎないように気を付けましょう。
オスモチン
ナスには「オスモチン」という植物性たんぱく質も含まれています。
オスモチンは、体内での糖代謝を整えるアディポネクチンと似た働きをし、
メタボリックシンドロームを予防する効果があると期待されています。
ナスは皮ごと食べるのがお勧め
![ナス料理](https://www.ishokudogen.com/page/wp-content/uploads/nasu5.jpg)
この様に、ナスには健康に役立つ栄養が詰まっていますが、
特に色の濃い皮付近に素晴らしい栄養が集まっています。
ナスの皮のキュキュッとした歯触りが苦手で、
調理の際には皮を剥いてしまう方も多いかも知れませんが、
せっかくの栄養を捨ててしまうのはとても勿体ないことです。
細かく刻んだり、皮に包丁で切り目を入れる。
レンジで蒸すなどすると皮の食感も変わって食べやすくなります。
出来ればナスは皮ごと食べて嬉しい栄養をマルッと頂きましょう。
ナスは油で調理すると栄養が逃げにくい
またナスは油を使った調理で食すと豊富な栄養を効率よく摂取できます。
油でコーティングするによって水溶性の色素成分が流失しにくくなり、
おいしさや水分も閉じ込められよりジューシーになります。
夏野菜のナスは体を冷やす
そしてナスと言えば…「秋なすは嫁に食わすな」という言葉が有名ですよね。
この意味には、
「秋ナスは栄養たっぷりで、嫁に食べさせるのはもったいないぐらいおいしい」
という嫁いびりの意味の他に、
「ナスは体を冷やすから、子を生む嫁の体の為には食べさせないほうがいい」
という思いやりの意味もあります。
夏野菜であるナスは体を冷やす作用があります。
中国では発熱したときの解熱剤として食べられていたほどで、
体が熱くほてりがちな夏にぴったりの野菜ではあるものの、
気温が下がる初秋には体が冷えすぎない様注意が必要です。
こうした冷えが気になる場合には、
体を温める作用のある食品を一緒に取り入れるのがお勧めです。
「長ネギ」や「生姜」はナスとも相性の良い薬味ですが、
これらは体を温める作用がある為、組み合わせると冷え予防として役立ちます。
また温かい料理で食べるなど調理法を工夫して、
体を冷やしすぎないよう注意しましょう。
新鮮なナスを選ぶポイント
![ナスの保存](https://www.ishokudogen.com/page/wp-content/uploads/nasu3.jpg)
新鮮なナスを選ぶポイントとしては、
皮にハリがありツヤのあるものを選ぶのがポイントです。
また、ヘタが乾燥して干からびたり、切り口が茶色くなっておらず、
ピンとしてみずみずしく、トゲが立っているものが新鮮です。
野菜は新鮮な方がより栄養価が高いため、
ナスに関してもなるべく新鮮なものを選び、早めに頂くようにしましょう。
ナスの正しい保存方法
すぐに食べない場合は、冷蔵庫に入れたいところですが…
夏が旬のナスは冷えた冷蔵庫が苦手。
冷やしすぎるとかたくなり味が落ちてしまいます。
出来れば新聞紙などに包んで冷暗所に保存し、出来るだけ早く食べるか、
どうしても冷蔵庫に保存する場合は、
開閉によって温度が上がる野菜室の一番手前に保存するのがお勧めです。
色素パワーを美と健康に役立てよう
ナスは水分が多く、夏の火照った体を冷やす夏バテ対策にぴったりの野菜です。
これからの暑い季節に効果的に取り入れて、
夏のだるさを吹き飛ばしつつ、色素パワーを美と健康に役立てましょう。