
日々の生活や仕事の中で、なんとなく気分が沈んだり、ストレスが溜まっていると感じることはありませんか?
連日の猛暑や不安定な天候、社会情勢の変化なども重なって、心が疲れやすい時期でもありますよね…。
そこで今回は、そんな心のモヤモヤにそっと寄り添う「涙の健康法」に注目してみたいと思います。
本日、7月9日は、7(な)月9(く)の語呂合わせから
「泣く日」とされています。この日にちなみ、
涙活(るいかつ)によるストレス解消法をご紹介します。ぜひ、無理なく気軽に取り入れられる「心のメンテナンス法」として参考にしてみてくださいね。
「涙活」とは?
「涙活(るいかつ)」とは、あえて感動的な映画や音楽、本などを通じて涙を流し、心をデトックスする習慣のことです。10年ほど前からじわじわと注目され始め、最近ではテレビや雑誌でも取り上げられる機会が増えてきました。
ただし、「泣く=ストレスに強くなる」と言い切るのは少し乱暴かも知れません。涙活は、あくまでストレス発散のためのツールのひとつとして、自分のペースで無理なく取り入れることが大切です。
涙には3つの種類がある

私たちが日常的に流す涙には、実は大きく分けて3つの種類があります。
『基礎分泌の涙』
目の乾燥を防ぎ、表面を潤してくれる涙。
『反射の涙』
玉ねぎを切ったときやゴミが入ったときに分泌され、異物から目を守ってくれる涙。
『感情の涙』
悲しみ、怒り、感動などの強い感情により流れる涙。
このうち、心と体に良い影響をもたらすのは「感情の涙」です。
泣くことで得られる意外な健康効果
感情の涙には、ストレスホルモンであるコルチゾールを排出する働きがあるとされ、心拍数や血圧を下げて体をリラックスさせる効果があります。涙を流すことで副交感神経が優位になり、体の緊張がゆるみ、まるで瞑想をした後のような穏やかな状態になると言われています。
また、感情を抑え込まずに解放することで、自律神経のバランスが整い、結果的に睡眠の質が高まったり、集中力を高める効果も期待できます。
「涙活」はどんな人に向いているの?
前述のように、意外な健康効果が期待できる涙活ですが、これは、日々忙しく働くビジネスパーソンだけのものではありません。例えば、子育てや介護で疲れがちな方、人間関係に悩みがある方、感情をうまく吐き出せない方、なんとなく心が晴れない方など、老若男女問わず、誰でも取り入れることができます。
涙活は、ストレス社会で生きる私たちの強い味方と言えるでしょう。
ただし、すでに気持ちが安定していて毎日を快適に過ごしている方にとっては、無理に取り入れる必要はありません。涙活は「ストレスを感じているときの対処法」として活用することに意味があります。
日常でできる「涙活」のやり方

「涙活」を取り入れるのに難しいことは何もありません。
例えば、涙活を日常に取り入れる方法として、以下のようなやり方があります。
・感動的な映画やドラマを見る
自分の心が動くジャンルを見つけて、思いきり泣いてみましょう。
・音楽を聴く
懐かしい曲や歌詞に共感できるバラードなど、心に響く音楽もおすすめです。
・手紙を書く・読む
大切な人への手紙や過去の手紙を読み返すのも感情を呼び起こすきっかけに。
・思い出にひたる時間をつくる
家族写真やアルバム、卒業文集など、思い出の品に触れるのも◎
・“泣ける本”を読む
書店で「泣ける」「感動系」と紹介されている作品は涙活の入り口にぴったりです。
こうした例を参考に、自分の好きなやり方で取り入れてみましょう。
涙活の注意点
涙活は「泣くことそのもの」が目的ではなく、感情の浄化や解放を通じて、心と体を軽くすることが目的です。涙活に取り組む際には、以下のような点に注意しましょう。
・無理に泣こうとしない(泣けない日があって当然)
・周囲を気にせず泣ける時間と場所を確保する
・泣いた後の感情を否定せず、じっくり味わう
・頻度は週に1〜2回が目安。日常に無理なく取り入れる
・涙活そのものがストレスにならないようにする
美容・健康にもうれしい効果が?
涙によるリラックス効果は、肌のバリア機能回復や睡眠の質の向上にも繋がると考えられています。ストレスが肌荒れやくすみの原因になることはよく知られていますが、心が軽くなることで、体全体の調子が整い、「なんとなく不調」な状態から抜け出すきっかけになるかも知れません。
泣くことは弱さではなく「整える力」
日本では「泣くのは恥ずかしい」「感情は表に出すべきではない」と考えられてきた文化的背景もありますが、最近では「泣くこと」をポジティブに捉える人も増えてきました。
自分を責めたり我慢しすぎたりするよりも、時には心のスイッチを切り替えるように涙を使うことで、ぐっと生きやすくなることもあります。
ぜひ素直な気持ちで、時に感情を解放してあげましょう。
泣いて、整えて、また前を向こう

最近「ちょっと疲れたな」「理由はないけど気持ちが沈むな」と感じていたとしたら、涙活を試してみる価値はあります。
無理にポジティブになろうとせず、泣いて、整えて、また前を向く。そんなやさしい時間を、自分のために取ってみてはいかがでしょうか。