秋の味覚「鮭」の優れた栄養効果 | ISDG 医食同源ドットコム [公式通販]
2022.09.21
秋の味覚「鮭」の優れた栄養効果

旬の秋鮭

日本人が1番食べている魚、「鮭」が旬を迎えています(9〜11月)。 「秋鮭」や「秋味」と呼ばれる様に、鮭は秋を代表する味覚の一つです。 鮭は縄文時代には既に食べられており、昔から私達の食卓に大変馴染み深い魚です。 しかし、寿司ネタとして人気のサーモンや、焼き魚の定番の塩じゃけ、 紅ジャケ等など、種類の違いや、そこに含まれる栄養については あまりご存知ないまま食べている方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、秋の味覚の1つ【鮭の種類や栄養】についてご紹介します。 鮭には「食べなきゃ損」と言えるくらい美と健康に役立つ栄養が豊富です。 旬の今こそ食卓に取り入れ、秋の味覚から美味しく沢山の恩恵を頂いちゃいましょう。


鮭の種類・呼び名の違い


鮭の栄養

日本で採れる天然の鮭は、ほとんどが「白鮭」です。 旅館の朝食など、和食の定番として登場することが多いのが白鮭で、 最も馴染み深く、脂は少なめでさっぱりした味わいが特徴です。

この白鮭は、収穫時期や成熟度によって呼び名が変わります。 秋になると白鮭は産卵のために生まれた川に戻って来ますが、 この時に沿岸で漁獲されたものを「秋味」や「秋鮭」と呼びます。 秋に獲れる鮭は、産卵のために体に蓄えた栄養分を使ってしまうため、 脂乗りが少なくさっぱりとした味わいになります。 そしてこの時期、大量に漁獲する9〜11月の秋が白鮭の旬となります。

一方、例外的に初夏に収穫される鮭を「時鮭」や「時不知鮭」(ときしらず)と呼びます。 こちらは時期外れとは言え、産卵前で栄養を身に留めていることから、 脂が乗り濃厚な美味しさを楽しめます。 また秋鮭を漁獲する際に時々獲ることができる成熟前の若い鮭を「鮭児」(けいじ)を呼び、 こちらは1万匹に1、2匹しか獲れないとても貴重なものであることから、 高級魚として扱われます。

白鮭以外では、深紅色の濃い身の色で高級とされる「紅鮭」 (北太平洋、ベーリング海、オホーツク海に分布)。 銀色の見た目が特徴の「銀鮭」(北太平洋北部に生息。チリやロシアの養殖物がほとんど)。 大型で脂ノリが良く、ステーキやホイル焼き、スモークサーモン などで食べることの多い「キングサーモン」 (北米やロシアが産地)。 寿司ネタやお刺身コーナーに並ぶ、チリ産の「トラウトサーモン」、 ノルウェーで海洋養殖される「アトランティックサーモン」など、 一言に鮭と言っても様々な種類があります。


鮭は白身魚


鮭の身はオレンジ色なので、一見赤身の魚と思われがちですが、実は白身魚に分類されます。 鮭の味が赤いのは、捕食するエビやカニなどの甲殻類、プランクトンによる 「アスタキサンチン」と言うカロテノイド系の色素成分によるものです。

カニ、エビも同じようなプランクトンを食べることで、 殻や身が赤くなりますが、サーモンは筋肉にアスタキサンチンを取り込むことで、 身がオレンジ色になります。筋肉に取り込んだアスタキサンチンにより、 川を上り産卵すると言う、過酷なミッションをやり遂げるだけの強靭な体力を維持できます。


鮭の栄養


鮭のアスタキサンチン

「アスタキサンチン」をはじめ、生命力漲る鮭には栄養が抜群です。
鮭に含まれる注目の栄養や働きには以下のようなものがあります。


アスタキサンチン


カロテノイドの一種であるアスタキサンチンには、強力な抗酸化作用があります。 その力はビタミンEの500倍、ビタミンCの6000倍とも言われ、 体に日々蓄積されていく老化物質や疲労物質などを取り除いてくれる嬉しい働きがあります。 また、血管壁の保護やストレス性の免疫低下を防ぐ、 眼精疲労の改善や白内障の予防、紫外線による肌の老化を抑制する働きなど、 美容・健康面においてあらゆる効果が期待できます。

アスタキサンチンは人の体内では作ることができない栄養素です。 鮭を食べることで、気軽に素晴らしい成分を摂取できるのは嬉しいメリットですね。


ビタミンD


鮭にはビタミンDも豊富に含まれています。 ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助ける働きがあり、 骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。

骨や歯を作る栄養と言えばカルシウムが有名ですが、カルシウムを十分に補っていても、 ビタミンDが不足していては体内で利用することが出来ません。 カルシウムだけでなくビタミンDも同時に補うことが大切です。

ビタミンDは紫外線を浴びることで体内で合成されますが、 あまり日光に当たらない生活をしていると不足してしまいます。 その場合は食事からきちんと補ってあげる必要があります。

骨や歯を丈夫に保つ為には、鮭と共にカルシウムが豊富な乳製品を一緒に摂るのがお勧めです。 鮭のシチューやクリームソースをかけたソテー、グラタンなど、 カルシウムと一緒に摂ることで、鮭に含まれるビタミンDが カルシウムの吸収率を高めてくれます。 調理法に悩んだ場合には是非意識してみましょう。


不飽和脂肪酸「DHA・EPA」


鮭には、不飽和脂肪酸である「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や 「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富に含まれています。 不飽和脂肪酸と言うと、青魚に豊富なイメージがありますが、 鮭にもまた青魚に匹敵するほどの不飽和脂肪酸が含まれており、健康に役立ちます。

DHA・EPAは、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、 血液サラサラ効果が期待できます。肥満や動脈硬化、 心筋梗塞などの生活習慣病の予防や、認知機能低下の抑制、 肌質の改善や、視力の向上など様々な働きをすることが知られています。 体内では作ることのできない必須脂肪酸であるため、 日々の食事から積極的に補うことが大切です。

現代人は魚離れにより不飽和脂肪酸が不足しがちとされます。 生活習慣病が増えている背景には、 不飽和脂肪酸の不足が関係しているという懸念もある為、 肉を食べたら次の食事では魚を食べる等、脂質のバランスにも気を配ってみましょう。


タンパク質


鮭に限らず、魚類にはタンパク質が豊富です。 タンパク質は、皮膚や髪、爪、内臓、筋肉など、私達の身体を作るのに欠かせない栄養素です。 健康に生きていく上で必要不可欠なものである為、 毎日の食事からしっかりと補う必要があります。

例えば、焼いた白鮭の切り身一つ(70g)の場合、約20g程度のたんぱく質が含まれます。 一日に必要なたんぱく質必要摂取量の目安、成人男性60g、女性50gの内、 3分の1以上がこれだけで摂れてしまう計算です。 良質なたんぱく源としても鮭は優秀ですので、是非取り入れてみましょう。


ビタミン類


鮭には、糖質の代謝を助ける「ビタミンB1」を始め、 脂質の代謝を助け皮膚や粘膜の健康を維持する働きのある「ビタミンB2」、 アミノ酸の合成に使われ、肌や髪の毛の成長を促進したり、 免疫機能の正常化に働く「ビタミンB6」など、ビタミンB郡が豊富です。 また美肌のビタミンと言われるビタミンA、C、Eも含まれ、 美容と健康において素晴らしい効果が期待できます。


旬の鮭で健康になろう


鮭には不飽和脂肪酸やタンパク質、 ビタミンDなど、現代人に不足しがちな栄養が豊富に含まれています。 また美容や健康に高い効果を発揮するアスタキサンチン等、注目の成分も豊富。

大人も子供もみんな大好きで様々な料理で楽しめる鮭。 是非旬のこの時期、鮭を美味しく食べて健康な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。