
記録的な暑さが続いているこの夏、お肌の調子はいかがですか?
今年の夏は例年よりも気温と湿度が高く、「蒸し暑さ」と「強烈な紫外線」がダブルで肌に影響を与えています。汗や皮脂が増える一方で、冷房による乾燥や紫外線によるダメージで、肌がゆらぎやすい状態になっている方も多いのではないでしょうか…。
こうした環境下で肌トラブルを防ぎ、美しい肌を保つには、
「肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)」を理解し、整えることがとても重要です。
そこで今回は、 シミやしわなど、美肌に大きく関わる「肌のターンオーバー」について、そのメカニズムを分かり易く解説します。
「肌のターンオーバー」の仕組みを理解することで、より美肌に近づく為の対処法も明確になると思います。ぜひ、この機会にご自身のお肌と向き合ってみてくださいね。
肌のターンオーバーとは?

そもそも、ターンオーバー (turnover)と言う言葉には、”物事の入れ替わりやその速度、割合”などの意味があります。
肌で言う「ターンオーバー」とは、肌の細胞が一定のサイクルで生まれ変わる仕組みのことです。
肌の最も外側にある「表皮」は、奥の基底層で新しい細胞が生まれ、約4週間かけて表面まで押し上げられ、やがて垢となって自然にはがれ落ちます。
この一連の流れがスムーズに行われることで、肌は透明感やハリを保ち、トラブルの起きにくい「健やかな状態」が保たれるのです。
ターンオーバーが乱れるとどうなる?
肌のターンオーバーがスムーズに行われていれば、古い角質は自然にはがれ落ち、新しい細胞が肌表面に現れることで、みずみずしく透明感のある肌が保たれます。ところが、何らかの要因でこのサイクルが乱れてしまうと、肌はさまざまな不調を抱えるようになります。
例えば、ターンオーバーのサイクルが遅くなると、本来ならはがれ落ちるはずの古い角質が肌の表面に長くとどまり、くすみやごわつきの原因に。肌がどんよりと曇って見えたり、化粧ノリが悪くなったりするのも、この状態によるものです。また、毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビや吹き出物ができやすくなることもあります。
一方で、ターンオーバーが早まりすぎるのも問題です。これは、過剰なスキンケアや刺激、ストレスなどによって引き起こされることがあり、まだ未熟な細胞が十分に育ちきる前に肌表面に押し出されてしまうため、バリア機能が不十分な肌になってしまいます。
その結果、乾燥や赤み、かゆみなどの肌トラブルが起きやすくなり、敏感肌のような状態に傾いてしまうのです。
つまり、ターンオーバーは“早すぎても遅すぎてもダメ”。肌の健やかさを保つには、ちょうど良いリズムを維持することが何より大切なのです。
ターンオーバーを整えるには?

では、お肌のターンオーバーをなるべく正常なサイクルで保つためには、どの様なことに気を付ければ良いのでしょうか?
ここで大事になるのは、「健康的な生活習慣の継続」と「正しいケア」になります。
バランスのとれた食事
ビタミンA・C・E、亜鉛、タンパク質を含む食材を積極的に補いましょう。肌細胞の再生に必要な栄養素を摂ることで、内側からのサポートができます。
質の良い睡眠
成長ホルモンが分泌される肌のゴールデンタイムに睡眠を取ることで、ターンオーバーが活発になります。
肌のターンオーバーを活発にする成長ホルモンは、眠り始めて最初に訪れる深い睡眠のタイミングで多く分泌されると言われています。かつては「22時〜2時がゴールデンタイム」と言われていましたが、実際には人それぞれの生活リズムに合わせて最初の深い眠りが大切。自分にとって無理のない睡眠時間を確保し、ぐっすり眠ることが、肌の再生にもつながります。
適度な運動と血行促進
ストレッチや軽い有酸素運動は、肌の血流を促進して代謝を上げる手助けになります。
紫外線対策は“年中無休”で
UVは夏だけの敵ではありません。紫外線を浴びることでターンオーバーの乱れやメラニン過剰生成が起こり、シミやくすみの原因に。日焼け止め+帽子や日傘を活用しましょう。
スキンケアの見直し
角質ケアや洗顔のしすぎは、肌表面の必要なバリアまで削ぎ落としてしまい、ターンオーバーのスピードを早めてしまう原因になります。洗顔は朝晩の1日2回を目安にし、優しく泡で包み込むように洗いましょう。角質ケアも週1回程度のマイルドなもので十分です。
また、肌にとって必要な水分と油分をバランスよく補う保湿ケアは、毎日の必須事項。夏でも「化粧水+乳液orクリーム」で肌のうるおいキープを意識しましょう。
忘れがちな「季節の影響」も見逃さないで

2025年の夏は例年以上に暑さ・湿気が厳しく、冷房を使う機会も多くなります。室内外の気温差で自律神経が乱れ、代謝機能が低下してしまうと、肌のリズムも崩れやすくなります。羽織やストールを利用して、冷房による冷えを対策しましょう。
また、冷たい飲み物の摂りすぎを控え、湯船に浸かってリラックスすることも、肌のためにできる大切なケアのひとつです。
美肌の育成は「肌のリズムづくり」から
ターンオーバーを整えることは、美肌のための“土台づくり”です。表面的なケアに頼るだけでなく、肌が持つ本来のリズムに寄り添い、生活全体を見直していくことで、より健やかな肌を手に入れることができます。
肌のリズムが整えば、メイクのノリも、日々の気分も上向きに♪ぜひこの夏は、「ターンオーバー」を味方につけて、透明感あふれる肌作りを心掛けてみませんか?