
2月も終盤。季節が落ち着かない日々が続いています。
ついこの前まで真冬の冷たい空気だったのに、急に春を通り越して初夏のような暖かさになったり、かと思えば翌朝は冬の寒さに逆戻り。さらに、昼間は汗ばむのに朝晩はコートが手放せない。そんな一日の中の温度差も大きくなっています。
冬から春に移り変わるこの時期、よく聞くのがこんな声です。
「食べる量は変わっていないのに体重が増えた」
「甘いものが急に欲しくなる」
実はそれ、気のせいではありません。この時期特有の“体の仕組み”が関係しています。
そこで本日は、2月後半から春先にかけて起こる
「寒暖差太り」の理由と、
体に負担をかけず整えるリセット習慣をご紹介します。ぜひご自身の体調と照らし合わせながら読んでみてくださいね。
「寒暖差太り」は自律神経の疲労から始まる

人の体は、外気温が変わるたびに体温調整をしています。具体的には、血管を広げる、血管を縮める、汗をかく、熱を作るという調整を無意識に行っています。この調整を担当しているのが「自律神経」です。
ところが、朝6℃ → 昼18℃ → 夜8℃のような環境になると、体は一日中“温度調節”を強いられます。つまり、体は何もしていないようで、ずっと働き続けている状態になっています。
この状態が続くと自律神経は疲労し、体は「省エネモード」に入ります。ここが、寒暖差太りのスタート地点です。
なぜ太る?体が「脂肪を守ろう」とする仕組み

自律神経が乱れると、体の中では次の3つの変化が起こります。
1.代謝が落ちる
本来、寒いと体は熱を作るためにエネルギーを使います。
これには「褐色脂肪細胞(燃やす脂肪)」が関わっています。
しかし寒暖差が激しいと、この機能がうまく働かなくなり、体は無駄なエネルギー消費を避けようとします。つまり、脂肪を燃やすより、貯める体に変わるのです。
2.ストレスホルモン(コルチゾール)が増える
自覚はないかもしれませんが、温度差は体にとって立派なストレスです。ストレスを感じると分泌されるのが、コルチゾールというホルモンです。
このホルモンは「血糖値を上げる」「食欲を増やす」「脂肪を溜める」という特徴があります。特に増えやすいのが内臓脂肪。お腹まわりが急に気になるのはこのためです。
3.甘いもの・炭水化物を欲する
自律神経が疲れると、脳は「すぐ使えるエネルギー」を欲しがります。その結果、甘いスイーツやジュース、菓子パン、麺類、白米の量が増えるといった行動が自然に増えます。
これは意思が弱いからではありません。体がエネルギー不足を察知し、回復しようとしているサインなのです。
さらに太りやすくする“見えない原因”
寒暖差太りには、もう一つの要因があります。
それが「活動量の低下」です。
気温差が大きい日は体が疲れやすく、無意識に歩く速度が遅くなる、階段を避ける、外出が減る、座る時間が増えるといった行動が増えていきます。
この“日常の小さな運動量(NEAT:非運動性活動熱産生)”が減ることで、実は1日200〜400kcalも消費が落ちることがあります。
つまり、食事量が同じでも太る条件が揃ってしまうのです。
寒暖差太りを防ぐリセット習慣

この時期は、無理に食事を減らすことよりも、まず体の“調整力”を取り戻すことが何より大切です。寒暖差で疲れている体にさらに制限をかけると、かえって代謝は落ちてしまいます。まずは、体が本来のリズムを取り戻せる環境を整えてあげましょう。
そのために意識したいのが、以下のポイントです。
1.朝にしっかり体温を上げる
朝は自律神経が切り替わるタイミングです。
ここで体温を上げると交感神経がスムーズに働き、代謝のスイッチが入ります。
白湯をゆっくり飲む、具だくさんの味噌汁をとる、卵や豆腐、焼き魚などの温かいタンパク質を少しでも摂る。体の内側から温めることで、一日のエネルギーの使い方が安定し、脂肪をため込みにくい状態へと整っていきます。
2.夜の優しい温め習慣
夜は、体をじんわり温め、リラックスさせる入浴習慣がおすすめです。入浴は、長時間の熱い入浴より、やさしい温めが効果的。38〜40℃のお湯に10分ほど浸かるだけでも十分です。
首・肩・お腹など自律神経が集まりやすい部分を意識して温めると、体の緊張がほどけます。
こうして穏やかに温めると副交感神経が優位になり、コルチゾールの分泌が落ち着きます。その結果、夜になると甘いものが欲しくなる衝動も自然と和らいでいきます。
3.昼間に5分だけ外に出る
日光は自律神経のリセットスイッチです。昼に5〜10分外気に触れることで体内時計が整い、睡眠の質が上がります。睡眠が深くなると食欲ホルモン(グレリン)が減少し、自然と食べ過ぎも落ち着いていきます。
この時期の体重増加は“脂肪”とは限らない
2月後半になると「急に太った」と感じることがありますが、この時期の体重増加は脂肪だけとは限りません。むくみが影響しているケースも多く見られます。
寒暖差が続くと、自律神経は血管の拡張と収縮を繰り返し、水分の調整がうまくいかなくなります。さらに睡眠の質の低下やホルモンバランスの揺らぎも重なり、体は一時的に水分を溜め込みやすい状態になります。
つまり、増えている体重は脂肪ではなく、巡りが滞っているサインの可能性もあるのです。
ここで焦って食事量を極端に減らしてしまうと、体はエネルギー不足を感じて代謝を落とし、かえって脂肪を溜め込みやすくなります。そして春以降、本当に体脂肪が増えやすい状態をつくってしまいます。
季節の変わり目は、体が冬仕様から春仕様へ切り替わる途中の時期。生活リズムを少し整えるだけで、水分の巡りは回復し、体は自然に落ち着いていきます。
体のリズムを整えることが近道に
もし最近「なぜか太った」と感じているなら、急激な寒暖差が影響しているかも知れません。
この時期は体重を無理に減らそうとするより、体のリズムを整えることが結果的な近道になります。ぜひ、春へ向かう準備期間と考え、生活リズムや体温の整え方を少し意識して過ごしてみてくださいね。