
じめじめとした空気と共に、体の水ハケが悪くなる梅雨のシーズン。体や頭が重く感じたり、肌や胃腸の調子が不安定になるなど、毎年なんとなくの不調を感じていませんか?
そんな“梅雨バテ”の季節にぴったりの食材に、
「紫蘇(シソ)」があります。風味が特徴的で、薬味としておなじみのシソですが、実はとても優れた健康効果を持つ「デトックス食材」。梅雨の不調対策として、とてもおすすめなのですよ♪
そこで今回は、
「紫蘇の健康効果」に注目してみたいと思います。
身近にある食材だからこそ、ぜひ気軽に取り入れて、毎日の食事から少しづつ体調を整えて行きましょう。
シソはそもそもどんな植物?
シソはシソ科の一年草で、青じそ(大葉)や赤じそに分類されます。薬味や香りづけに使われるほか、梅干しの色づけや漬物にも欠かせない存在です。
古くから「食べる漢方」としても親しまれ、平安時代にはすでに風邪薬や胃腸薬として使われていた記録もあるほどです。
ちなみに、「紫蘇」という名前の由来は、古代中国の故事に由来するとされ、食中毒で瀕死の子どもに紫色の植物を煎じて飲ませたところ蘇生した=「紫色で蘇る」→紫蘇、という逸話が残っています。
梅雨の不調とシソの相性がいい理由
梅雨は、気圧の変化や湿度の高さにより、自律神経が乱れやすい時期です。自律神経が乱れると、「胃腸の働きが弱まる」「むくみやすい」「冷えやすい」「体が重だるい」「気分が落ち込みがち」この様な症状が出やすくなります。
シソは、この時期特有の不調にやさしく寄り添ってくれる存在です。消化を促進し、体内の余分な水分を排出してくれる働きがあるので、まさに“食べるお薬”のような力を持っています。さらに香り成分の「ペリルアルデヒド」は、リラックス効果や抗菌作用もあり、気分がモヤモヤするときにもぴったりです。
シソに含まれる注目の健康成分

シソは緑色の濃い野菜です。そこには、さまざまな有用成分が詰まっています。
例えば、代表的なものに以下のような栄養素があります。
β-カロテン(ビタミンA)
強力な抗酸化作用を持ち、粘膜や肌の健康を守ってくれます。肌荒れや紫外線ダメージが気になるこの時期にうれしい成分です。
ビタミンK
血液の健康をサポートし、骨の形成にも関与します。
鉄・カルシウム・カリウム
ミネラル類も豊富で、骨や歯を丈夫にしたり、むくみ対策にも役立ちます。特に鉄は女性にうれしい栄養素。貧血予防や体の巡り改善に効果的です。
α-リノレン酸(しそ油に含まれる)
オメガ3脂肪酸の一種で、炎症を抑える働きや、血管・脳の健康にも関係しています。青魚が苦手な人は、しそ油で補うのもおすすめです。
ペリルアルデヒド
シソの香り成分です。強い抗菌作用があり、梅干しや刺身の防腐にも使われるほか、ストレスを和らげ、自律神経のバランスを整える作用があるとされています。
パントテン酸(ビタミンB5)
ビタミンB群のひとつで、脂質や糖質の代謝をサポートします。脂肪燃焼を助ける働きがあり、ダイエットにも注目の成分です。ストレス対策やホルモンバランスの調整にも関わっており、忙しい現代人にぴったりの栄養素といえます。
紫外線ケアにもシソが活躍?
梅雨時期は曇りがちで日差しが弱く感じがちですが、実は紫外線はしっかり降り注いでいます。むしろ油断しがちな分、知らない間にダメージを受けていることも。
β-カロテンの抗酸化作用は、紫外線による肌細胞の酸化ダメージを防ぐサポートになります。毎日少しずつシソを摂ることで、内側からUVケアをしていきましょう。
この時期におすすめの取り入れ方

シソはそのまま薬味として使う以外にも、いろんなアレンジが可能です。例えば、手軽にできるメニューには次の様なものがあります。ぜひ日々のメニュー作りの参考にしてみて下さい。
● シソと梅の玄米おにぎり
湿気で食欲が落ちやすい朝や昼におすすめ。梅干しのクエン酸とシソの香りで、さっぱり&抗菌もばっちりです。
● シソ入り味噌汁
刻んだシソを最後にパラリと入れるだけで、風味も栄養もUP。味噌の発酵パワーと相性抜群です。
● シソとトマトのサラダ
トマトのリコピンとシソのβ-カロテンで、抗酸化力UP。オレイン酸が豊富なオリーブオイルで和えるのがおすすめです。
● シソジュース(赤じそ)
蒸し暑い時期にぴったりの定番ジュース。クエン酸やミネラルが豊富で、梅雨の疲れた体に染みわたります。
梅雨の不安定な体と心を食から整えよう
薬味は決して派手な存在ではないですが、ちょっと加えるだけで、料理の味をぐんと引き立ててくれます。
中でもシソは、梅雨で不安定になりがちな体と心を、そっと整えてくれる名脇役です。
「なんとなく調子が出ない」そんな日は、食事にシソを加えてみてはいかがでしょうか。日本に昔からある植物のやさしさが、きっと心身を癒してくれるはずです。