10月は「食品ロス削減月間」です。
食品ロスとは、まだ食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食品のこと。
食品ロスと聞くと、スーパーやコンビニで売れ残ったお弁当や、賞味期限切れで廃棄される大量の食品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、実は日本の食品ロスの約半分が、私たちの家庭から出ているのです。さらに、日本全体の食品ロスを国民1人あたりに換算すると、なんと年間200個以上のおにぎりを捨てている計算になるそうです。
なぜ、これほど多くの食品が捨てられているのでしょうか?
そこで今回は、
【意外と知らない賞味期限の正しい知識】と、
【家庭で食品を無駄にしない工夫】についてご紹介します。ぜひ毎日の食生活にお役立てください。
毎日どれくらいの食品が捨てられている?

環境省などの推計によると、2024年度に日本で発生した食品ロスは、年間約461万トン。そのうち約224万トンが家庭から発生しています。
年間461万トンといわれても、あまりに大きな数字で、なかなか想像できませんよね。たとえば、10トントラックに換算すると、約46万台分にもなる計算です。こうして考えると、食品ロスがいかに大きな問題なのかが少しイメージしやすくなるのではないでしょうか。
もちろん、食品ロスは家庭だけの問題ではありません。食品工場やスーパー、飲食店などでも発生しており、売れ残りを減らす工夫や、まだ食べられる食品を有効活用する取り組みが進められています。
一方、家庭で発生する食品ロスには、大きく分けて3つの種類があります。
1つ目は、食べ残し。料理を作りすぎたり、盛りつけすぎたりして、食べきれずに捨ててしまうものです。
2つ目は、直接廃棄。未開封の食品や、まだ食べられる食材を、そのまま捨ててしまうことです。
3つ目は、過剰除去。野菜の皮を厚くむきすぎるなど、本来食べられる部分まで取り除いてしまうことをいいます。
こうして見ると、普段の何気ない行動の中にも、食品ロスにつながる原因が隠れていることがわかります。
賞味期限が切れたら食べられない?
食品を捨てるきっかけの一つが、パッケージに表示されている期限です。
ところで、「賞味期限」と「消費期限」の違いをご存じでしょうか?
似たような言葉ですが、実は意味が異なります。
賞味期限は「おいしく食べられる期限」 のこと。スナック菓子や缶詰、レトルト食品など、比較的傷みにくい食品に表示されています。賞味期限を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。
一方、消費期限は「安全に食べられる期限」 のこと。お弁当やサンドイッチ、生菓子など、傷みやすい食品に表示されています。こちらは期限内に食べきることが大切です。
ただし、どちらの期限も、未開封で表示された保存方法を守っていた場合のもの。開封後は期限にかかわらず、早めに食べるようにしましょう。また、賞味期限を過ぎた食品についても、保存状態などを確認し、食べられるかどうか慎重に判断する必要があります。
期限の意味を正しく知ることも、食品ロスを減らす第一歩になるのです。
買い物の前に冷蔵庫をのぞいてみよう

食品ロスを減らすために、まず意識したいのが買い物の仕方です。
スーパーに行くと、特売品やお買い得な大容量パックなど、つい手に取りたくなる商品がたくさんありますよね。しかし、安いからといって必要以上に購入してしまうと、食べきれずに捨てることになりかねません。
そこでおすすめしたいのが、買い物に出かける前に、冷蔵庫や食品棚の中身を確認することです。例えば、冷蔵庫にキャベツが半分、にんじんが1本残っていたとします。それを忘れて新しい野菜を買ってしまえば、古い野菜を使いきれない可能性があります。
反対に、残っている食材を把握していれば、必要なものだけを買い足すことができます。
スマホのカメラで冷蔵庫の中を撮影しておくのも、一つの方法です。買い物中に写真を確認すれば、「あれ、卵はまだあったかな?」と迷うことも少なくなります。
また、まとめ買いをする場合は、数日分の献立を大まかに考えておくと、必要な量を把握しやすくなります。
大切なのは、安く買うことだけでなく、買ったものを最後まで無駄なく使うことです。
メニューは「家にある食材」から考えてみよう
普段、夕食のメニューはどのように決めていますか?「今日はカレーにしよう」「明日はハンバーグにしよう」と、先にメニューを決めてから買い物に行く方も多いのではないでしょうか。
もちろん、それも一つの方法ですが、食品ロスを減らすという点では、少し発想を変えてみるのがおすすめです。
それは、家にある食材を見てから、メニューを考えること。例えば、冷蔵庫にキャベツ、にんじん、豚肉が残っていたら、野菜炒めや焼きそばに。じゃがいもと玉ねぎがあれば、スープやオムレツに。少しずつ余った野菜は、みそ汁や具だくさんスープにすれば、まとめて使うことができます。
料理名にこだわらず、残っている食材を組み合わせてみると、意外な一品が生まれることもあります。
また、レシピに書かれている材料をすべてそろえる必要はありません。例えば、レシピに小松菜と書かれていても、冷蔵庫にほうれん草があれば代用できる料理もあります。
使いきれない食材を新たに買い足すよりも、今あるものを上手に活用することが大切です。
「何を作ろう?」と考える前に、「何が残っているかな?」と冷蔵庫をのぞいてみる。そんな小さな習慣が、食品ロスを減らすことにつながります。
食材を長持ちさせる保存の工夫
食品ロスを防ぐためには、買った食材を適切に保存することも大切です。
例えば、葉物野菜は乾燥するとしおれやすいため、適度な湿度を保ちながら冷蔵保存すると長持ちしやすくなります。一方、じゃがいもや玉ねぎは、基本的に風通しのよい冷暗所での保存が向いています。(ただし、気温が高い時期や室温が高い場所では、保存環境に注意が必要です。)
また、肉や魚は、すぐに使わない場合、鮮度のよいうちに小分けして冷凍しておくと便利です。ご飯も、食べきれない分は早めに1食分ずつ冷凍しておけば、必要なときに取り出して使えます。
ここで気をつけたいのが、冷凍庫に入れたことで安心してしまうこと。冷凍した食品も、長期間保存すれば品質が低下します。冷凍する際には日付を書いておき、古いものから使うようにしましょう。
さらに、冷蔵庫の中に「早く食べるもの」をまとめて置く場所を作るのもおすすめです。使いかけの野菜や賞味期限が近い食品を目につく場所に置くだけでも、うっかり忘れてしまうことを防ぎやすくなります。
「てまえどり」も食品ロス対策の一つ

最近、スーパーやコンビニなどで「てまえどり」という言葉を見かけたことはありませんか?
これは、購入してすぐに食べる場合などに、商品棚の手前に並んでいる、販売期限の近い商品を積極的に選ぶ取り組みです。
同じ商品でも、少しでも期限が長いものを選ぼうと、棚の奥から商品を取ることがありますよね。しかし、手前の商品が売れ残ってしまうと、まだ食べられるのに廃棄される可能性があります。
そこで、今日食べるパンやお弁当などは、手前の商品から選んでみる。
もちろん、数日後に食べる予定のものまで、無理に期限の近い商品を選ぶ必要はありません。自分が食べるタイミングに合わせて選ぶことが大切です。こうした買い物の際のちょっとした心がけも、社会全体の食品ロス削減につながっていきます。
食品ロスを減らすことは家計にもやさしい

食品ロスを減らすメリットは、環境への負担を軽くすることだけではありません。実は、家計の節約にもつながります。
例えば、1週間に500円分の食品を捨てていたとすると、1年間では約26,000円にもなります。
せっかくお金を出して購入した食品を、そのまま捨ててしまうのは、やはりもったいないですよね。
また、食品を作るためには、水やエネルギーなど、さまざまな資源が使われています。さらに、食べずに捨てられた食品を運んだり、処分したりする際にもエネルギーが必要です。
つまり、食品ロスを減らすことは、食べ物だけでなく、食品を作るために使われた資源を大切にすることにもつながるのです。
とはいえ、食品ロスを減らそうとするあまり、無理に食べすぎたり、傷んだ食品を食べたりする必要はありません。大切なのは、必要な分だけ購入し、おいしく食べきることです。
食べ物を無駄にしない暮らしを出来ることから
買い物の前に冷蔵庫を確認する、家にある食材からメニューを考える、食べきれない分は早めに保存する。どれも特別な道具や費用を必要とせず、今日から始められることばかりです。
ぜひ、毎日の食生活の中で、できることを一つずつ取り入れながら、食べ物を無駄にしない暮らしを心がけてみませんか?