
気温がぐんぐん上昇し、熱中症警戒アラートが発令される地域も出てきました。今年は40℃を超える地域も多くなると予想されるなど、過酷な暑さが続きそうです。
この時期は熱中症対策ばかりに目が向きがちですが、実はもう一つ増えてくるのが…
「何となくイライラする」という声です。
「いつもなら気にならないことに腹が立つ」「家族や同僚にきつく当たってしまう」「気持ちに余裕が持てない」…そんな経験はありませんか?
実はそのイライラ、気持ちの問題ではなく、暑さによる体の変化が関係していることがあります。
そこで本日は、
【暑い日にイライラしやすくなる理由と、その対策】をご紹介します。ぜひこの夏を心地よく過ごすヒントにしてみてください。
暑さは体にとって想像以上のストレス

私たちの体は、気温が高くなると、体温を一定に保とうとして休むことなく働き続けます。汗をかいて熱を逃がしたり、皮膚の血管を広げたりと、何もしなくてもエネルギーを消費しています。
例えば、スマートフォンも炎天下では本体が熱くなり、動作が遅くなったり、バッテリーの減りが早くなったりしますよね。
実は、人の体にもよく似たことが起こっています。
暑さの中では、体は"冷却装置"をフル稼働させているため、知らないうちに疲れがたまり、心の余裕も少しずつ失われてしまうのです。
脳は「熱」に弱い臓器です
脳は熱にあまり強くありません。体温が上がると脳にも熱がこもりやすくなり、集中力や判断力、作業効率が低下しやすいことが知られています。
さらに、感情をコントロールする働きを担う「前頭前野」は、疲労や睡眠不足、暑さなどの影響を受けやすいと考えられています。
前頭前野は、いわば「感情のブレーキ役」。この働きが鈍ると、
・つい口調がきつくなる
・小さなことでイライラする
・我慢が続かなくなる
といった状態になりやすくなります。
「今日はなんだか心に余裕がないな」と感じた日は、気持ちの問題ではなく、脳が暑さで疲れているサインなのかもしれません。
脱水は気分にも影響します

また、体が脱水状態になることも気分に影響を与えます。
汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。軽い脱水でも、
「頭がぼんやりする」「集中力が落ちる」「疲れやすい」「落ち着かない」といった変化が現れることがあるのです。
のどの渇きを感じる頃には、すでに体は水分不足になっていることも少なくありません。暑い日は、のどが渇く前からこまめに水分を補給することが大切です。
食欲低下がイライラを招くことも?
暑くなると食欲が落ち、「そうめんだけ」「アイスだけ」「ジュースだけ」という食事で済ませてしまうことはありませんか?
このような食事は糖質に偏りやすく、血糖値が急激に変動しやすくなります。
また、イライラすると甘いものが欲しくなる方も多いですが、お菓子や甘い飲み物を一度にたくさん摂ると、血糖値が急激に上がったあとに下がりやすくなり、かえってだるさや空腹感、イライラにつながることもあります。
血糖値が急激に下がると、だるさや集中力の低下を感じたり、空腹感が強くなったりすることがあります。
血糖値の急な変動を防ぐためにも、暑い日ほど、たんぱく質や野菜も組み合わせて、できるだけバランスのよい食事を意識しましょう。
寝苦しい夜もイライラの原因に

熱帯夜が続くと睡眠の質が低下し、自律神経のバランスも乱れやすくなります。睡眠不足になると、前頭前野は十分に力を発揮しにくくなるため、感情をコントロールする力も低下しやすくなります。
いつも以上にイライラを感じやすい日は、睡眠不足が影響しているのかもしれません。寝る前に睡眠環境を快適に整えることや、エアコンを我慢しすぎないことも、心と体を守る重要な対策です。
イライラしたら「心」より先に「体」をいたわる
イライラすると、「気持ちを落ち着けなきゃ」と考えがちですが、暑さが原因なら、まずは体を休ませることが大切です。
例えば、
・涼しい場所へ移動する
・コップ1杯の水を飲む
・首や脇を冷やす
・深呼吸をゆっくり繰り返す
こうしたちょっとした工夫だけでも、体の熱が下がり、気持ちが落ち着いてくることがあります。
原因をしっかりと見極めて正しく対処しましょう。
夏は脳にも大きな負担がかかる季節
夏は、体だけでなく脳にも大きな負担がかかる季節です。
「最近イライラしやすいな」と感じたら、自分を責める前に、「暑さで脳も体も頑張りすぎているのかもしれない」と考えてみてください。
水分補給やバランスのよい食事、質のよい睡眠、そして無理をしないことは、熱中症予防だけでなく、心の余裕を保つことにもつながります。
今年の夏は、体を上手にいたわりながら、暑さともイライラとも上手に付き合っていきましょう。