お腹のハリにガス「食物繊維の摂り過ぎ」による意外な弊害 | ISDG 医食同源ドットコム [公式通販]
2022.12.07
お腹のハリにガス「食物繊維の摂り過ぎ」による意外な弊害

お腹の調子が悪い

食物繊維は、糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルの 5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」として大変注目されています。 美と健康に直結する腸内環境改善にも欠かせない存在で、 腸活の為にとせっせと食べている方も多いことでしょう。 しかし、そんな食物繊維も、腸が弱っている人にとっては、 食べ過ぎると逆効果になる場合があることをご存知でしょうか…。

今回は、お腹のハリにガス、腸の不調の原因にもなる、 【食物繊維の摂り過ぎによる意外な弊害】についてご紹介します。

「腸のために食物繊維を沢山摂っているのに、お腹の調子が悪い。」 「食物繊維を摂るとお腹が張り、悪臭のするガスが大量に出る。」等… お心当たりがあれば是非ご覧いただき、腸内環境の改善、 ポッコリお腹の解消にお役立て下さい。


食物繊維の摂り過ぎがポッコリお腹の原因に?


食物繊維

痩せているのに、お腹だけがポッコリと出ている方は多くいらっしゃいます。 ポッコリお腹の原因の1つに、食物繊維の摂り過ぎがあることをご存知でしょうか。

食物繊維は健康に大変役立つ栄養素。摂れば摂っただけ良いと思われていますよね。 多くの方がダイエットや健康の為に野菜を食べる努力をしていると思います。 しかし、その野菜の摂り過ぎによって便を詰まらせたり、腸内にガスを発生させ、 ポッコリお腹を悪化させる方が中にはいらっしゃるのです。

食物繊維の1日の摂取目標は、成人男性で21グラム以上、 成人女性で18グラム以上が推奨されています。 しかし、これを大幅に超えて摂取していたり、間違った摂り方をしている。 また下痢や便秘を繰り返しているなど、腸が不調の方が食物繊維を摂り過ぎると、 逆にお腹の不調をこじらせる場合もあることから注意が必要です。


食物繊維の摂り過ぎでお腹が張るメカニズム


ポッコリお腹

そもそも食物繊維は消化することが出来ない機能性成分です。 人間は食物繊維を消化する酵素を持っていないため、 食物繊維が入ってくると消化・吸収されることなく体外へ排出します。
消化できないものが腸内に大量に入ってくると、 体はそれらを一生懸命消化しよう、濃度を薄めようと腸内に水分を集めます。 すると、必要以上に腸に水分が溜まり、腸を浮腫ませる原因になるのです。

また、腸内細菌が食物繊維を分解する際にガスを発生させます。 このガスが大量に発生することでお腹にガスが溜まり、ポッコリお腹を招くこともあります。

腸がむくみ、ガスが溜まると腸の働きが低下。便秘しやすくなります。 食物繊維でガチガチになった便が腸内に留まり、腸内環境が悪化。 悪玉菌の増殖により悪臭のするガスを大量に発生させたり、更にお腹を膨らませることも。

また、大腸内にガスが充満すると、小腸や胃の方までガスが上がって来ることがあります。 すると、空腹であるはずなのに食欲が沸かず食事が疎かになったり、 胃酸を逆流させて、胸やけやゲップなどの症状を引き起こす 「逆流性食道炎」にも罹りやすくなります。
胃は、胃酸の強い刺激から身を守る強力な粘膜を持っていますが、 食道にはそこまでの強い粘膜がありません。胃酸が食道に逆流すると、 次第に粘膜が傷つき炎症を起こすようになるのです。 逆流性食道炎は、放置すると食道がんのリスクが高まることから、早めの対策が必要です。


SIBO(小腸内細菌増殖症)


近年問題となっている疾患の一つに「SIBO」(シーボ)があります。 SIBOはまさに上記のような症状を引き起こします。

SIBO(シーボ:小腸内細菌増殖症)とは、小腸の中で細菌が増えすぎてしまう状態を言います。
100兆個もの腸内細菌が住んでいる大腸に対し、 小腸には1万個程度と腸内細菌はあまり住んでいないのが正常です。 これが、加齢による機能の低下や便秘などが原因で小腸の細菌が増えると、 10万個以上と爆発的に増殖し、様々な不調を引き起こします。

SIBOになると、菌による代謝産物が過剰に発生されるようになります。 この状態で食物繊維と言う餌が沢山投入されれば、小腸の中で菌が更に増殖し、 大量のガスを発生してお腹が張り、ポッコリお腹を悪化させます。 また小腸に溜まったガスが胃から食道に戻り、逆流性食道炎を起こしたり、 悪玉菌が発するガスにより、ゲップや口臭が酷くなる。 腸に炎症を起こす。腸粘膜に隙間が出来、 様々なアレルギーを起こす「リーキーガット症候群」を招くリスクを高めるなど、 あらゆる問題を引き起こす原因となります。

この様に、腸活に役立つとされる食物繊維も、 SIBOの人にとっては味方ではなく敵になり得るのです。


お腹の弱い人は食物繊維の摂り過ぎに注意


食物繊維の摂り過ぎは、特に便秘や下痢を繰り返すなどお腹の弱い人に注意が必要です。
腸の弱い方がやたらと腸活することによって、 逆に腸内環境を悪化させる場合もあることを是非知っておきましょう。

たかがポッコリお腹ですが、実はこうした危険が隠れている場合があります。 特に太っているわけではないのに、また痩せているのに、 お腹だけが異様に膨らんでいる場合、または悪臭のするガスが大量に出る場合、 そしてその上で野菜を一生懸命食べているのであれば、 もしかするとその原因は食物繊維の摂り過ぎにあるかも知れません。 心当たりがあれば、食物繊維の摂り方を一度見直してみてはいかがでしょうか。


お腹の調子を見ながら種類・量を調節しよう


健康的な食事

食物繊維を効果的に摂取するには、 それぞれの腸の調子に合わせて食物繊維の摂り方を変えることが大切です。

食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、 水に溶けるタイプの「水溶性植物繊維」と2種類があります。 水溶性食物繊維は、水に溶けてゼリー状になり便がゆるくなります。 特に下痢をしやす人は摂り過ぎに注意しましょう。

逆に、水に溶けない不溶性食物繊維の摂り過ぎは便秘に繋がりやすいです。 不溶性食物繊維は腸内で膨らみ、便のカサを増やします。 カサが増えすぎると腸内で詰まり排泄されにくくなります。
こうした食物繊維の特性を考慮しつつ、摂取量にも注意しながらお腹の調子を整えていきましょう。


腸の調子を見ながら食物繊維とはうまく付き合おう


食物繊維を積極的に摂ることは、本来腸活に大変有効で、 腸が元気な人にとっては素晴らしい効果を得ることが出来ます。 特に現代人は食物繊維が不足しがちであるため、積極的に摂るべき栄養素と言えます。

しかし、人によっては逆に腸に悪影響が生じる可能性もあるため注意が必要です。
特に便秘を解消したい人、ダイエットをされている方などは、 食物繊維を過剰に摂り過ぎてしまう傾向にあります。 何事もほどほどが肝心です。是非、腸の調子をきちんと観察しながら、 食物繊維は正しく安全に取り入れて行きましょう。